【法人カードの審査に打ち勝て!】審査通過の6つのコツと審査落ちの理由を一挙公開!
監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
法人カードの審査になかなか通らなくて困っている方は多いのではないでしょうか。
法人カードは個人用のクレジットカードよりも審査が厳しいといわれています。
審査になかなか通らない方に不足しているのは、「審査基準の理解度と適切なカードを見分ける力」です。
法人カードで審査落ちすると、「発行不可」の旨が記載された書面が郵送されるだけで、電話で問い合わせをしても審査落ちの理由は教えてもらえません。
ここでは「審査に通らないんじゃないか」と不安に思っているあなたに、審査落ちの理由を詳しく紹介し、さらに審査に通るコツもお伝えします。
中には、「審査なしで法人カードを発行することができるのでは…?」という方もいると思いますが、残念ながら審査なしで発行できる法人カードはありません。
審査に自信がない方はこちらの記事も参考にしてみてください。
審査に通りやすいカードも紹介するので、ぜひ最後まで読んで自分に合ったカードを見つけてみてください。
この記事の目次
- 一体どうして?審査に落ちてしまった場合に考えられる3つの理由
- 創業からの年数と赤字の有無がポイント
- 代表者の与信が低い
- おさえておきたい!審査を通過する6つのコツ
- 固定電話回線を引く
- 使わないカードがあれば解約する
- 信用情報機関から情報が抹消されるのを待つ
- 所有しているカードのアップグレードをする
- プロモーションを利用する
- ホームページを作る
- 困ったときはこうする!審査落ちの理由が分からない場合の3つの対処法
- 他社の法人カードに申し込みする
- 個人用のクレジットカードを使用する
- 法人デビットカードを発行する
- もう審査落ちしない!審査に通りやすいおすすめ法人カード6選
- アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
- セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
- 三井住友ビジネスカード for Owners
- ライフカードビジネスライト
- オリコEx Gold for Biz
- P-one Business MasterCard
- まとめ
一体どうして?審査に落ちてしまった場合に考えられる3つの理由
法人カードで審査落ちしてしまう理由には、会社や代表者自身について主に次のような理由があります。
以下で、それぞれについて詳しくご説明します。
創業からの年数と赤字の有無がポイント
カード会社では、申し込みのあった法人について「事業歴」と「黒字経営かどうか」を審査します。
設立から3年が経過していない
これらのうち「事業歴」は重要度がとても高く、設立したばかりの法人や事業歴の浅い法人は、それだけで審査落ちをしてしまうこともあります。
会社という組織を存続させ利益を上げ続けていくのはとても難しいことです。
個人用のクレジットカードであれば、もし契約者の勤務先が倒産してしまったとしても契約者が転職をすれば給与が途絶えることはありません。
しかし法人カードの場合は法人が倒産すると経営者も破産してしまう可能性が高く、カード会社にとっては貸し倒れとなるリスクがあります。
そのため起業直後の法人や事業歴が2年未満である法人は、「事業歴の短さ」が法人カードの審査落ちの理由となっているケースが多くあります。
赤字決算が審査に影響を与えることも
利益が少なく業績の悪い会社も法人カードの審査にはなかなか通過することができません。
赤字決算の会社は貸し倒れのリスクが高くなるため、審査の評価は低くなってしまいます。
ただし売上が大きく、節税のために出張費や接待費などの経費を大きくして意図的に赤字にしている会社は財務状況に問題がないとされ、赤字決算であっても法人カードを発行することができます。
反対に売上の少ない会社や借入額の大きい会社は財務状況が悪いという理由で、審査落ちしてしまう可能性が高くなるでしょう。
代表者の与信が低い
代表者の信用度も審査の際の重要な項目になります。カード会社では申し込みのあった法人についてだけでなく代表者自身についても審査を行います。
過去に滞納などないことが重要
会社の代表者がこれまでに債務整理や自己破産をしていたり滞納の回数が多かったりすると、審査落ちの理由となってしまう可能性があります。
つまり代表者のクレジットヒストリーが大きく関わってくるのです。
カード会社はCICと呼ばれる信用情報機関に加盟しており、カードの申し込みがあるとCICに照会して申込者の借入状況や過去の金融事故の有無などについて調べることができます。
代表者の与信については、直近2年以内に2回以上の返済遅延があるとカード審査に落ちてしまうと言われています。
設立して間もない法人ならカードを発行するのに3年待つのも1つの方法ですが、その間にポイントなど法人カードの付帯サービスを受けられないのは機会損失ですよね。
審査に落ちた場合は、再度申請するまでに少し時間を空けた方が良いとされています。
その期間に、次にご紹介する「審査に少しでも通過しやすくなる方法」を行ってみましょう。
おさえておきたい!審査を通過する6つのコツ
法人カードの審査に少しでも通過しやすくするには、次のようなコツがあります。
続いて、それぞれについて詳しくご説明します。
固定電話回線を引く
カード会社では申し込みのあった法人の事業実態を調べるため、固定電話やオフィスの有無について確認を行っています。
これは闇金業者や詐欺業者などが法人利益を違法に使用することを防ぐためで、金融庁では銀行やカード会社などの金融機関に対し、法人口座の開設やカード発行の際厳格な審査を行うことを求めています。
固定電話回線を引くことで、カード会社に好印象を与えることも可能です。
反対に携帯電話しかない法人の場合、信用面において不安があると判断されてしまう可能性があります。
固定電話を引いておけば電話加入権を持っているという信用を作ることができ、営業実態もつかみやすいとの評価を得ることが可能です。
その結果信頼性が高まり、審査に通過する確率が高くなると言われています。
大手のカード会社ほどバーチャルオフィスでないかをチェックしている
銀行ほど厳密ではありませんが、法人カードの審査の際は大手のカード会社ほど固定電話回線やオフィスの有無について確認していると言われています。
個人用のクレジットカードであれば名義を簡単に変更できないため犯罪に使われる可能性はそれほど高くなく、固定電話回線の有無は重視されません。
しかし法人名義の場合は設立費用の25万円があれば誰でも簡単に会社を作れてしまうため、犯罪を目的に作られた会社かどうかを見抜くのが難しいので、営業実態の確認を重要視しています。
法人カードの発行により犯罪を助長させてしまう可能性もありますので、カード会社ではオフィスや固定電話を事業実態の確認要素としカードの審査を行っています。
固定電話やオフィスは会社が所在する証明となり、信用面においてプラスの印象を与えることができるのです。
使わないカードがあれば解約する
使わないクレジットカードがあれば解約することで、審査に通りやすくなる可能性があります。
法人カードの名義は代表者の個人名義となりますが、限度額は代表者個人が持っているクレジットカードをすべて合算して計算します。
使っていないクレジットカードがあれば個人用でもきちんと解約し、限度額の枠に余裕を持たせることが大切です。
収入に対し限度額の枠をどれくらい持っているかが大切
年収100万円の人がクレジットカードを作る場合、限度額が30万円ぐらいまでであれば、審査に通ると言われています。
限度額が50万円ぐらいになると審査に通るかどうかギリギリのラインとなり、50万円を超えると審査に落ちてしまう可能性が高くなります。
年収500万円の会社経営者の場合、経営者個人のクレジットカードを合算して300万円の限度額の枠を既に持っているのであれば、新しく法人カードを作ろうとしても審査に落ちてしまう可能性が高くなってしまいます。
限度額の枠は収入に比例して大きくなりますが、不要なカードがあれば解約し限度額の枠に余裕を作っておきましょう。
信用情報機関から情報が抹消されるのを待つ
与信に不安のある代表者の場合、信用情報機関から情報が抹消されるのを待つのも1つの方法です。
CIC などに登録されている個人信用情報には、情報の保有期限があります。
たとえば延滞に関する情報は、延滞を解消した日から数えて1~5年が経過すると、情報が抹消される仕組みになっています。
任意整理や自己破産などの債務整理については、5~10年が経過すると情報が消えるため、年数が経過するのを待ち、再度カード発行の申し込みを行いましょう。
所有しているカードのアップグレードをする
代表者が所有している個人用のクレジットカードのアップグレードをすると、法人カードの審査に通過しやすくなる可能性があります。
代表者がゴールドやプラチナなどステータスの高い個人用クレジットカードを利用していると、「信用度が高い」とみなされ、法人カードの審査に通りやすくなる傾向があります。
プロモーションを利用する
少しでもカード審査通過の可能性を高くしたいという人は、カード会社のプロモーションを利用してみましょう。
週末や連休にデパートや空港などでクレジットカードの勧誘を受けたことはありませんか?
プロモーションとは、カード会社が空港などに出張ブースを作りカード発行の促進活動を行うことを指します。
プロモーションではノルマが設定されていることが多く、審査の際に優遇される可能性があります。
ホームページを作る
企業用ウェブサイトを持っていない法人の場合は、事前に作っておくのがおすすめです。
特に設立後間もない場合や業種が分かりにくい場合「この会社は何をしているのかわからない」という印象をもたれやすく、「信用面に不安がある」と判断され審査落ちに繋がってしまうケースがあります。
可能であれば事前にホームページを作り、業種に関しての説明などを記載しておくことで会社に対する信用度を高めることができるでしょう。
法人カードの審査落ちをしてしまった人の中には、「設立して数年経っているし、赤字経営でもない。何が原因か分からない」とお困りの人もいるかもしれません。
続いて審査落ちの理由について、心当たりのない場合にとるべき対策方法についてご紹介します。
困ったときはこうする!審査落ちの理由が分からない場合の3つの対処法
法人カードの審査に落ちた理由が分からない場合は、次のような対処法があります。
続いて、それぞれについて詳しくご説明します。
他社の法人カードに申し込みする
審査落ちの理由に心当たりがないという場合は、他社の法人カードに申し込みするのも1つの方法です。
法人カードの審査基準はカード会社によってさまざまです。
1社の審査に落ちたからといって諦めるのではなく、違うカード会社で申し込んでみるようにしましょう
個人用のクレジットカードを使用する
法人カードを作らなくても、個人用のクレジットカードでも経費を精算することはできます。
ただし個人用と法人用のカード払いを混同しやすくなるなどのデメリットがありますので、長期的な利用はお勧めできません。
一時的に利用するのであれば個人用のクレジットカードを使うというのも1つの方法です。
なお個人用のクレジットカードで事業用の経費を精算した場合は、帳簿づけの際に「事業主借」という勘定科目を使います。
確定申告の際は、事業主借と事業主貸とを相殺した差額を法人での資本金にあたる「元入金」に振替えますが、会計ソフトを利用しているのであれば自動的に行われることがほとんどです。
法人デビットカードを発行する
法人口座を開設できるのであれば、法人用のデビットカードを発行するという方法もあります。
デビットカードではカードの利用代金は口座から直接引き落としとなり、VISA や JCB の加盟店で利用することができます。
ただし法人のデビットカードを作る場合法人口座を開設する際に審査が発生するため、全く審査がないというわけではありません。
それでも法人カードの発行よりはデビットカードの方が審査も甘いため、法人口座を作れるのであれば、法人デビットカードを発行してみましょう。
法人カードの審査落ちの対策にはさまざまなものがありますが、より審査に通りやすいカードを選んで申し込みするというのも1つの方法です。
次に、審査に通りやすいおすすめ法人カードについてご紹介します。
もう審査落ちしない!審査に通りやすいおすすめ法人カード6選
こちらでご紹介するのは以下の6枚です。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード
ステータスの高いカードとして多くの人に親しまれているカードです。個人用のゴールドカードでは審査がとても厳しいとして知られています。
個人事業主や設立1年未満の法人でも申し込める
個人カードと比べ、アメックスの法人カードは審査がそれほど厳しくないと言われています。
法人カードの審査に通る事業歴の目安は3年と言われていますが、アメックスでは設立1年目の法人でも審査に通ったとの声があります。
国内であれば最高5,000万円、海外であれば最高1億円の旅行傷害保険が自動付帯となっており、出張の多い人にもおすすめのカードです。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
ゴールドカード並みの年会費で持てるプラチナカードがセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードです。
年会費は20,000円(税別)ですが、年間の利用が200万円を超えると翌年の年会費は10,000(税別)と半額になります。
審査の対象が「個人」
このカードを作ることが出来るのは、安定した収入のある一般の個人や、法人企業の代表であると公式は明記しています。
また、法人カードは年会費が高いほど審査も比例して難しい印象がありますが、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードはプラチナカードとしてはかなり年会費が低く、審査も比較的易しいと予想されます。
三井住友ビジネスカード for Owners
年会費が1,250円(税別)と維持費のかからないリーズナブルな法人カードです。
貯まったポイントはマイルに交換したりキャッシュバックとして次回の支払いにあてたりすることができます。
謄本や決算書の提出が不要
このカードの特徴は会社の代表者が関わる情報のみで審査が行われ、謄本や決算書の提出が不要であるということです。
会社の業績や事業年数で審査に落ちることがないので、設立後間もない会社の経営者におすすめです。
ライフカードビジネスライト
年会費無料で持つことができる法人カードです。
ポイント還元はありませんが法人は ETCカードも年会費無料で持つことができ、福利厚生サービスのベネフィットワンにご優待価格で入会することができます。
消費者金融系で審査のハードルが低い
ライフカードビジネスライトは消費者金融系の法人カードのため、審査のハードルが低いのが特徴です。
決算書の提出は不要で必要なのは運転免許証などの本人確認書類のみのため、他社で断られたことのある人におすすめしたいカードです。
オリコEx Gold for Biz
年会費が2,000円(税別)と低価格ながらポイント還元率は0.6~1.1%と、コストパフォーマンスの良い法人カードです。
個人事業主や設立して間もない会社でもカードを作れる
オリコEx Gold for Bizは、個人事業主や設立して間もない法人でもカードを作れることで知られています。
法人カードでは珍しくキャッシング機能がついており、国内外の空港ラウンジも無料で利用することができます。
P-one Business MasterCard
ポイント還元率0.6%と高めで、年1回以上の利用で年会費が無料になるカードです。
赤字決算でも審査に通る可能性がある
このカードは、申し込み時に登記簿謄本の提出が必須となっていますが、公式サイトに「赤字決算でもお申込み可能」と明記されています。
そのため、赤字決算の法人でも安心して申し込むことができます。
まとめ
法人カードで審査落ちするのには、「事業年数が短い」「代表者の与信が低い」などの理由があります。
設立後3年が経過するまで待つなども1つの方法ですが、 少しでも審査に通過しやすくなるようさまざまな対策を行ってみましょう。
なぜ審査落ちしてしまったのか分からないという人は、カード会社を変えたり個人用のクレジットカードを利用したりする方法もあります。
また、法人カードに申し込む際はできるだけ審査に通りやすいカードを選ぶようにしましょう。
- 監修者:クレジットカード専門家 菊地崇仁
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約80枚のクレジットカードを保有し、約130万円の年会費を支払っている。 一般カードからプラチナカード等のプレミアムカードを実際に保有・利用し、信用できる情報提供を目指している。すべてのカードを利用し、おトクな使い方、おすすめの使い方を日々研究中。